医療法人くさの実会

  • Profile

    吉田 真一郎 (よしだ しんいちろう)さん

    医療法人くさの実会 事業部次長 兼 介護老人保健施設 リバーサイド春圃 施設長

    気仙沼出身。仙台で介護福祉士専門学校を卒業後、リバーサイド春圃の開設と同時に入職。入居者3名からの立ち上げに関わる。介護士としての現場経験、介護統括主任としてのマネジメントを経て現職。

    気仙沼市の魅力

    気仙沼は、宮城県の北東部に位置し、太平洋に面したまち。日本有数の漁港、気仙沼港があります。遠洋漁業の…

    • リクナビ2018 新卒採用はこちら

市内を流れる気仙沼大川沿いにある老人保健施設リバーサイド春圃は自然に囲まれたのどかな場所、舘山地区に位置する。地域を拠点とした介護施設であることをモットーとしており、地域交流会などを通じては地域コミュニティづくりを推進しているため、入居者の笑顔はいつも絶えない。職員の仲も良く、老人保健施設の大きな役割の一つである施設と在宅を結ぶ在宅復帰を多職種で支援している。また同医療法人は、精神科・心療内科専門の医療機関である光ヶ丘保養園も運営しているため、医師や看護師と連携することにより地域のチーム医療を実現させている。このような充実した体制を整える医療法人ではあるが、東日本大震災の大津波により、特にリバーサイド春圃は壊滅状態に陥るほどの被害を受けた。すべてを無くしてしまってから、再建までどのような道のりを歩んできたのか。震災当時はリバーサイド春圃の介護統括主任として現場のマネジメントを行い、現在は医療法人くさの実会 事業部次長 兼 介護老人保健施設 リバーサイド春圃 施設長となった吉田さんに話を伺った。

「当時の施設は気仙沼湾を望む場所にあり、津波は建物の2階まで襲ってきました。テーブルやベッドなどは流されて、津波がひいた後の施設内は泥まみれで、到底介護をできるような場所ではありませんでした。利用者様のこと、職員のこと、施設のこと、何から手を付けたらいいのか、誰に相談したらいいのかまったくわからずに、ただただ呆然としていました」避難所は近くの体育館。しかしまだまだ寒さの残る季節であったことと、ケアのための設備が整っていなかったため、高齢者にとっては負担が大き過ぎた。体育館を後にすることを決めたものの、被害の大きかった気仙沼で満足のいくケアができる場所はそうそうなく、計6回の移動を繰り返した。「ほんとうに辛かったですよ。あの時期は。明日はどこに行けるんだろうか。そんなことを毎日考えながら利用者様のケアに当たっていました。そんな状況だったので自宅に帰れる方には戻れる手配をして、被害が少なかった近隣の施設にもお願いをして預かってもらえるように頼みに行きました」その行動の甲斐もあり、利用者の引き取りはスムーズに進んだ。しかし介護施設にとって、利用者がいなくなるということは、経営を成り立たせることができなくなることを意味する。「再建がまったく進んでいない状態だったので、給料は当然払えません。かつ払える見込みもついていない。だから辞めようとする職員をこっちから引き止めることはできませんでした。そこで仕事を続けるか、退職するかを一人ひとりと話をしました。すると半分の職員が残ると申し出てくれたのです。これには驚きました。自分のこれからのキャリアや、家族のことも考えた上での決断。自分も家族がいますが、職員の想いを聞いて決してここから逃げ出さないと決めたことを覚えています。余談ですが、その時に残ってくれた職員はいまでもほとんどの方が在籍しています。あの時芽生えた絆が、私たちの間には確かに存在しているのです」

「大震災が発生してから3日後の3月14日、まだ何も計画が立っていない状態でありながらも当時の施設長が、『再建するぞ』と声に出して言ったんです。これは私も含めて職員全員の大きな目標になりました」そうして2014年7月に現在の場所にリバーサイド春圃は再建された。「今思えば長い道のりだったと思いますが、あの被害から3年で再建できたのは早かったのかなとも思います。やっぱり『再建する』って言い切ったからこそスタートを早く切れたのがよかったかもしれない。後は本当に職員のみんなのおかげですね。人員配置基準という、利用者一人に対して何人の職員が必要だといった基準を満たさないと施設は運営できないのですが、残ってくれた職員がいたおかげでその基準も早くに満たすことができたのです。本当に感謝しています」震災を経たことによって、職員への思いは大きく変わったと吉田さんは言う。「あんなにも退職届を受け取ったことはこの先も二度とないでしょう。どんな事情があるにせよ、一緒に働いた職員がいなくなることは本当につらいこと。出会いがあれば別れがあるという言葉がありますが、出会ったならできる限りずっと一緒に働きたいと思っています」リバーサイド春圃を訪れると、職員の方たちの笑顔の写真が壁に貼られていることに気がつく。みんなが気持ちのよい、大きな声で挨拶をしている。結婚・出産を経ても戻ってくる職員が後を絶たないそうだ。職員を大切にするからこそ生まれてくる輪が、ここにはある。

職員一人ひとりを大事にする姿勢は、資格取得へのバックアップにも現れている。「資格を取得したいと決めた人には、受験費用等を賞与にプラスすることでカバーしています。加えてうちは給与を号級制にしているため、この資格を取得すれば給与はこうなる、現場ではなく主任を目指すならこんな道を歩めばいいんじゃないかと言った風に、目指すキャリアについても明確にするようにしています」また医療法人くさの実会は、介護老人保険施設と精神科・心療内科専門の医療機関を同グループ内に持つ。これは資格取得において非常に有利とも言える状況と言える。「介護福祉士の資格を取得した後は、ケアマネージャーの資格をというのが通常の流れですが、うちの場合だと看護・准看護師資格を目指すことができる。実際にリバーサイド春圃の職員が准看護学校を受験して、入学したこともありました。違う領域の資格を取得することは、医療従事者としての幅を広げることもできるし、キャリアの選択肢が多様になるのです」医療法人内での異動も推進しているため、実践経験をも積むことができる。震災を経験して、職員のことを本当に第一に考えているからこそのサポートだ。

吉田さんには今、大きな目標がある。「自分の中では、介護・介護施設のイメージを変えていきたいと思っています。そういった面では、いち介護福祉士が老人保健施設の施設長になれたというのは、介護福祉士でステップアップを考える人に対する目標のキャリアの一つになれたんじゃないかなと思います。そんなキャリアの人をたくさん輩出していきたいですよね」有資格者ならではのプライドをサポートする体制をつくりたいのです、と強い眼差しで語る吉田さん。「被災してから私たちは多くの方に助けられて、無事に再建までたどり着くことができました。人に支えられることのありがたさは十分理解しています。だからこそ相手のことを想いながら、寄り添っていける、私たちだからできるサービスを提供していきたいと思います。今度は私たちの番です。気仙沼の町の医療と介護を医療法人全体で支えていきます」

会社概要

社名 医療法人くさの実会
本社 〒988-0813 宮城県気仙沼市浪板140
ホームページ http://riverside.kusanomikai.or.jp/
新卒採用募集職種 専門系 技術系で特に生かせる専攻:薬学系(6年制)、衛生医療・介護系
  • facebook
  • twitter
ページトップへ